以前描いた絵に物語つけてみた
以前描いた絵に物語が浮かんだので、ここに書き留めておきます。
昔、森の奥深くに妖精の国がありました。
そこに住んでいる妖精の中に他の妖精の眼や心臓を奪い、
寒天状にして保存する、という趣味を持っている悪い妖精がいました。
妖精達はこの妖精を妖精の国から追放し、
この森の中で一番大きな食虫植物のウツボカズラの中に閉じ込めてしまいました。
大きなウツボカズラの中からは出てこれないだろう、
また食虫植物の消化機能で、あわよくばこの悪い妖精をウツボカズラが消化してくれるだろうと考えました。
妖精達は妖精の国に帰り、もうそのウツボカズラの近くには立ち寄らないようにしました。
それから幾年もの時が過ぎて...
悪い妖精はウツボカズラの中で消化されることなく生きていました。
むしろ逆にウツボカズラの養分を吸い上げ自分のものにしていたのです。
死んでしまったのはウツボカズラの方でした。
ウツボカズラは形を保っただけの悪い妖精の器、
言うならば物言わぬ家に成り果てていたのです。
悪い妖精は今も森の中に迷いこんだ旅人や子供、
昔の話を知らない妖精などを狙って大きなウツボカズラの中に潜んでいます。
眼や心臓が以前よりも集めやすくなった、とほくそ笑みながら。
おしまい。
また他の絵でも物語思いついたら書きます。
大人の絵本も書き(描き)たいね。